ミッドナイトランディング

実機について 1987年、タイトーから登場。
業務用としては珍しいフライトシミュレーターゲームである。

専用筐体の外観は航空機の機首を模したデザイン。ドアを開けて内部へ入ると足元以外は外部と触れる部分が無い。
僅かな範囲であるが操作に合わせて筐体が稼動する等、本物さながらにゲームに没入できる。
筐体後部には見学者用に別のモニターが備えられている。
プレイ前に必ずドアを閉めて、操縦桿・スロットルレバーを初期状態に戻さなければゲームは開始されない。
コクピットを模した内部にはモニターがあり、その下に機体を操作する操縦桿とエンジンを制御するスロットルレバーがある。
タイトルの通り、暗闇に包まれた状態で着陸態勢に入っている航空機を操縦し、
表示される様々な計器類と、前方に視認する誘導灯を頼りに滑走路へ着陸するのが目的。
登場する空港は全て国内外に実在する空港である。全8ラウンド。
墜落は勿論、指示に従わず着陸コースから大幅に逸れたり、着陸後に停止出来ずに滑走路末端を越えた場合も失敗となる。
失敗しそうになった場合は、画面の表示に従ってスタートボタンを押すと、もう一度やり直しが可能。
(ラウンド1のみ)
ラウンド終了後は評価画面になり、機体の進入角度・進入ルートの正確さから採点される。
成功すると次ラウンドへ進めるが、着陸に失敗していた場合はここでゲームオーバーとなる。
クリアする毎に航空機が大型の機種に変わり、更に風向・風力や天候の影響もあり、操縦の難易度が上がる。
1988年に、グラフィックの大幅変更・夜間以外の風景の追加・離陸ステージの追加など、
ある程度難易度を下げた続編「トップランディング」が登場。

夜間飛行のみであるため非常に難易度が高く、決して万人向けの内容ではなかったが、
それまでレースやシューティングのみに採用されていた、体感ビデオゲーム筐体の今後の可能性を見出した作品である。

作品について&戯言 姉妹作「トップランディング」と同時製作しました。
筐体外の飛行機を象った部分以外は、大して難しくない作品でした。悩んだ部分は開閉可能なドアくらいかな?
残念ながら可動機構はオミットしましたが、実物の下回りは黒いゴムで囲んで隠されているので
黒く染めたペーパーで再現しました。
一番の見せ場である航空機の機首のような外観はスチレンボードで製作。
流線型の加工も結構な場数踏んでるんで、今回も楽しみながら作れました♪
一応、モニターやコンソール部も作りこんでいるんですが、内部は実物通りに真っ黒に塗装しているので、
ドアを開けてもあまり中が見えない状態です…

このゲームとの出会いは、大阪交通科学館(後に交通科学博物館に改称。2014年4月閉館。)でした。
作者の様々な趣味の中には鉄道関連もありまして、中学生の頃に友人に薦められて始めた鉄道模型(Nゲージ)の資料収集のために、
小学3年生の遠足以来、久々にこの施設に訪れました。
この施設の中にゲームコーナーがあり、電車や新幹線・飛行機を象った子供用の可動遊具に混じって、このゲームが設置されてました。
ココを訪れる数日前に地元の図書館で読んだパソコン専門誌(名前は失念。ベーシックマガジンだったかな…?)には、
最新アーケードゲーム紹介記事が毎回あり、たまたまこのゲームが紹介されていたので、大まかにゲーム内容は知っていました。
早速初プレイに挑んだんですが、事前に分かっていた事とはいえ画面が基本的に真っ暗けで光の筋(誘導灯)しか見えず、
元々飛行機の基礎知識も無いので計器類すら理解出来ない状態で、呆気無く墜落…
結局、このゲームをプレイしたのはこれが最初で最後になっちゃいました。
因みにゲームコーナーは2000年頃(?)に団体用休憩室に改装されてしまいました。
(晩年に「電車でGO!」が設置されていたのも目撃したので、確かそれくらいまで存続していたはず…?)


別館入り口に戻る